さくらのさくら色

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大岡信さん「言葉の力」中学校「国語2」光村図書出版(平成3年版)より。

学校の教科書にこんな話があるなんて。

京都の嵯峨に住む染織家、志村ふくみさんの仕事場で話していたおり、志村さんがなんとも美しい桜色に染まった糸で織った着物を見せてくれた。そのピンクは淡いようでいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、はなやかで、しかも深く落ち着いている色だった。

その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。
「この色は何から取り出したんですか」

「桜からです」
と志村さんは答えた。

素人の気安さで、私はすぐに桜の花びらを煮詰めて色を取り出したものだろうと思った。
実際はこれは桜の皮から取り出した色なのだった。
あの黒っぽいごつごつした桜の皮からこの美しいピンクの色が取れるのだという。

さくらの花が綺麗なのは、体全体であの色を出しているからなんですね。うわべだけ取り繕ってもだめですね。ちょっと反省しました。